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ジェイン・オースティンの読書会
カレン・ジョイ ファウラー

定価: ¥ 2,520
販売価格: ¥ 2,520
人気ランキング: 5702位
おすすめ度:

発売日: 2006-01
発売元: 白水社
発送可能時期: 通常3~5週間以内に発送
難しかった・・・
はっきり言って時間の無駄だったかもしれないという気がしている。
英米文学を専攻しているので、オースティンの作品には詳しいが、
この作品に限っては、別にオースティンの読書会でなくてもよかった
のではないかという気がする。
読書会の合間に6人のそれぞれのエピソードが挿入されているという
形をとっているが、それが余計にわけがわからない。
途中、再び読書会に戻ったかと思うと、回想に戻る。このような
作風は好きになれない。
しかも読書会として、きちんと場が開かれたシーンは最初の2回だけ。
別に6人もメンバーにしなくても良かったのでではないか?
この内容で2400円は高すぎる!
サン・ティー
サン・ティー、ガラス容器に入れたまま太陽に当て、太陽熱で抽出した
紅茶。水色は美しけれど風味には欠けるという。たしかに98度のお湯で
入れる本格派の紅茶に比べれば香りや味は薄いかも知れない。でも夏は
冷蔵庫に入れたままの水出し紅茶が好きでよく飲むけれど、奥ゆかしい
というか、ほのかに香る微妙な香りも捨てがたい。これはまさしくそんな小説。
6人の男女によるオースティンが残した6冊の読書会。それぞれの章で各人の
エピソードが披露される。読み進むうちにシルビヴィアがスペイン系であったり、
「鏡を見ないことにした」バーナデットの意外な過去が明かされ、ジョスリンと
グリッグの恋の行方、等々。紅茶の葉が太陽熱の対流でゆっくりとかき回されて
行く。
読後知ったのだが、カレン・ジョイ・ファウラーはSFの書き手らしい。となると、
グリッグの(ちょっと皆から疎まれている)SF趣味、そしてジョスリンのSFへの
目覚めとグリッグとの関係・・。これは、もう一度読み直さなければならないでは
ないか!もちろんオースティン6作品もすべて。
読者による、7番目の“オースティン”
オースティンを知らなくても楽しめた...これが読後の感想だ。ファンはそりゃもうパスティーシュ的な読みを十二分に楽しめるだろうことは予想が付く。知らない場合は、作中の6人の生い立ちや性格、作家との距離感、そして彼らが語る作家像、作品評...から“ジェイン・オースティン”を類推する楽しみがある。
人の打ち明け話が完全に真実を語っているということは、まれ、きわめてまれである。ふつうは何かが多少とも偽装されていたり、少しばかり間違っていたりするものだ。
これはオースティンの「エマ」から引用された作品冒頭の言葉だが、6人それぞれに偽装されたり、少しばかり間違っていたりする“オースティン”をつなぎ合わせ、読者として7番目の“オースティン”を創り上げていく作業はことのほか楽しい。思い入れたっぷりの女4人、批判的な女1人、門外漢の男1人ってバランスも絶妙で、多分この構成がオースティンの割とフラットな見取り図にもなっているのだろう。“読書”はどうしても作家と読み手の一対一の関係で捉えがちだけれど、“読書会”っていう方法論は“読書”の新たな可能性も提示している(まぁ、これは作品として良く出来ているのであって、実際の読書会は、参加者の背景が客観的に書き込まれるといった重層構造があるわけではなく空疎で平板なものになりがちだけど...)。
作中の言葉を借りれば、この作品は“ポモ的(ポストモダン的)”な、構造としての面白さがまずあるけど、それにも増して、6人それぞれの物語や数々の挿話が巧みで、なかなか唸ってしまう(特にアレグラがコリンにパクられた?一連のエピソードは秀逸!)。
6人の生い立ちや現在抱えている状況、あるいは読書会が催される各人の家庭環境、供されるお茶菓子といったディティールから、アメリカの田舎町の風俗、普通の人々の生活が透けて見えてくる点も面白かった。








